2008年 07月 07日 ( 1 )

 

種も仕掛けもありませんが

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  「おい~っすぅ!」 (いかりや長介風?)

 7月6日(日)、東京・池袋の東武百貨店で開かれている「大人の楽器市」に
 南澤大介先生の「クリニック&ミニ・ライブ」を見に
 6月に開業したばかりの東京メトロ「副都心線」に乗って行ってきました。

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 会場には、アコースティック・ギターが好きな人や
 南澤先生の「ソロ・ギターのしらべ」をやってますという人たちが大勢集まっていて、
 演奏が始まると皆さん真剣そのものです。

 ところで・・・、

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 一見、「種も仕掛けもない」ような先生の手。

 手だけを見れば、「感情線が随分はっきりしているな」と思うくらいで、
 ボクと、そんなに変わらないんですが、
 出てくるサウンドが大きく違うのは、なぜなんでしょう??

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 この日は、クリニックでもあるので、演奏を披露するだけでなく、
 さまざまな奏法や、ギターの魅力も紹介してくれました。

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 さらに、いろいろな人のいろいろな質問にも笑顔で答える楽しいクリニックでした。

 この中で、先生がさりげなく強調されていたのが、やっぱり「消音」。

 う~む、消音かぁ・・・。

 でも、最近、少しずつ分ってきました。
 実は先生の演奏の秘密は、それだけじゃないんですよね。

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 さりげない南澤先生の演奏スタイル。

 ボディやネックを叩くといった大技を多用することもなく、
 ごくオーソドックスな演奏スタイルです。

 ところが、そこには、まるで「手品」のような
 「目にもとまらぬ細かなフィンガーテクニック」が隠されているんです。

 それを一言でいえば、「バランス感覚」でしょうか?

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 ロックやポップスなど、あらゆるジャンルの曲をギター1本で再現する
 南澤先生の「ソロ・ギターのしらべ」シリーズの魅力は、何と言っても
 「原曲のイメージを損なうことなく」ギター1本に置き換えている
 アレンジの素晴らしさにあると思います。

 そして、それを演奏する上で大切なことは、
 さまざまな楽器の、いろいろな音色で演奏されている原曲のイメージを
 「ギターという単一な音色で、どう表現するのか」ということになりますよね?

 でも、ギター1本で、できることと言えば、音の「大小」「強弱」「長短」、
 あと「重なり具合の調整」といったところで、かなり限定されてしまいます。

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 そこを南澤先生は、種も仕掛けもないけれど、まるで「手品」でもするように
 普通の人が気付かないところで、指を細かく動かして、上手~く表現しているんですよね。

 それは、「メロディーになるべき音」と「伴奏になるべき音」をゴチャゴチャと同時に弾くために
 そのままだったらオルゴールのように平坦になってしまいそうなところを
 一本一本の指を巧みに動かして、微妙な「強弱」やタッチによる「音色の差」をつけ、
 さらに「消音」することによって、音の「長短」や「重なり具合」なども絶妙にコントロールして、
 それぞれが独立して、その曲にふさわしいバランスで聞こえるようにするテクニック。

 一見、当り前で、さりげないけど、それらによってギターという単一な音色でも、
 実に表情豊かに原曲のイメージを再現しています。

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 もちろん、ほかのアコギ・インスト系のプレーヤーも、
 プロならみんな同じようなことをやっているんでしょうけど、
 オリジナル曲と違い、カバー曲の場合、
 原曲のイメージやメロディーラインがはっきりしている分、
 余計にその「バランス感覚」が重要なんだろうと思います。

 ましてや、原曲に可能な限り忠実にギターで再現しようとなれば、尚のことでしょう。

 それが南澤先生の演奏の魅力であり、
 「ソロ・ギターのしらべ」シリーズの魅力なんだろうなと、
 最近、つくづく感じ入っている次第なんです。

 いつかは、一歩でもそれに近づきたいもんだよなぁ~。

by acogihito | 2008-07-07 08:46 | ★アコギ関連 | Comments(10)