種も仕掛けもありませんが
「おい~っすぅ!」 (いかりや長介風?)
7月6日(日)、東京・池袋の東武百貨店で開かれている「大人の楽器市」に
南澤大介先生の「クリニック&ミニ・ライブ」を見に
6月に開業したばかりの東京メトロ「副都心線」に乗って行ってきました。
会場には、アコースティック・ギターが好きな人や
南澤先生の「ソロ・ギターのしらべ」をやってますという人たちが大勢集まっていて、
演奏が始まると皆さん真剣そのものです。
ところで・・・、
一見、「種も仕掛けもない」ような先生の手。
手だけを見れば、「感情線が随分はっきりしているな」と思うくらいで、
ボクと、そんなに変わらないんですが、
出てくるサウンドが大きく違うのは、なぜなんでしょう??
この日は、クリニックでもあるので、演奏を披露するだけでなく、
さまざまな奏法や、ギターの魅力も紹介してくれました。
さらに、いろいろな人のいろいろな質問にも笑顔で答える楽しいクリニックでした。
この中で、先生がさりげなく強調されていたのが、やっぱり「消音」。
う~む、消音かぁ・・・。
でも、最近、少しずつ分ってきました。
実は先生の演奏の秘密は、それだけじゃないんですよね。
さりげない南澤先生の演奏スタイル。
ボディやネックを叩くといった大技を多用することもなく、
ごくオーソドックスな演奏スタイルです。
ところが、そこには、まるで「手品」のような
「目にもとまらぬ細かなフィンガーテクニック」が隠されているんです。
それを一言でいえば、「バランス感覚」でしょうか?
ロックやポップスなど、あらゆるジャンルの曲をギター1本で再現する
南澤先生の「ソロ・ギターのしらべ」シリーズの魅力は、何と言っても
「原曲のイメージを損なうことなく」ギター1本に置き換えている
アレンジの素晴らしさにあると思います。
そして、それを演奏する上で大切なことは、
さまざまな楽器の、いろいろな音色で演奏されている原曲のイメージを
「ギターという単一な音色で、どう表現するのか」ということになりますよね?
でも、ギター1本で、できることと言えば、音の「大小」「強弱」「長短」、
あと「重なり具合の調整」といったところで、かなり限定されてしまいます。
そこを南澤先生は、種も仕掛けもないけれど、まるで「手品」でもするように
普通の人が気付かないところで、指を細かく動かして、上手~く表現しているんですよね。
それは、「メロディーになるべき音」と「伴奏になるべき音」をゴチャゴチャと同時に弾くために
そのままだったらオルゴールのように平坦になってしまいそうなところを
一本一本の指を巧みに動かして、微妙な「強弱」やタッチによる「音色の差」をつけ、
さらに「消音」することによって、音の「長短」や「重なり具合」なども絶妙にコントロールして、
それぞれが独立して、その曲にふさわしいバランスで聞こえるようにするテクニック。
一見、当り前で、さりげないけど、それらによってギターという単一な音色でも、
実に表情豊かに原曲のイメージを再現しています。
もちろん、ほかのアコギ・インスト系のプレーヤーも、
プロならみんな同じようなことをやっているんでしょうけど、
オリジナル曲と違い、カバー曲の場合、
原曲のイメージやメロディーラインがはっきりしている分、
余計にその「バランス感覚」が重要なんだろうと思います。
ましてや、原曲に可能な限り忠実にギターで再現しようとなれば、尚のことでしょう。
それが南澤先生の演奏の魅力であり、
「ソロ・ギターのしらべ」シリーズの魅力なんだろうなと、
最近、つくづく感じ入っている次第なんです。
いつかは、一歩でもそれに近づきたいもんだよなぁ~。
by acogihito | 2008-07-07 08:46 | ★アコギ関連 | Comments(10)
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必着仕事人
at 2008-07-07 09:57
x
やっぱりマジシャンだったのね!(笑)
観客の食い入る表情!
気持ちは、わかります!!!
観客の食い入る表情!
気持ちは、わかります!!!
0
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carat
at 2008-07-07 09:57
x
「バランス感覚」ですか~。
バランス感覚を養うって大切ですよね。
既に持っているか持っていないかでも、練習の成果に差が出るでしょうけど、
そこを意識するだけでも違いがあるかもしれませんね。
バランスの取れたものは美しいです。。。
顔の場合はバランスが整っていないと個性になったりもしますが(^^:
週末は東京にいたので参加したかったです~。
バランス感覚を養うって大切ですよね。
既に持っているか持っていないかでも、練習の成果に差が出るでしょうけど、
そこを意識するだけでも違いがあるかもしれませんね。
バランスの取れたものは美しいです。。。
顔の場合はバランスが整っていないと個性になったりもしますが(^^:
週末は東京にいたので参加したかったです~。
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takky
at 2008-07-07 10:39
x
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acogihito at 2008-07-07 13:22
必着仕事人さま、こんにちは!
いやぁ、マジシャンというか、テクニシャンというか、
これはその場で見るだけよりも、
その場で見たものを録音して、後で聴いた方が良くわかると思います。
その場では、見た目で圧倒されちゃうので。
後で聴いてみると、
あんなにサラッと弾いていたように聴こえたのに
実に細かいバランスで強弱、メリハリが付いているんだなぁ~と
改めて感心してしまいます。
いやぁ、マジシャンというか、テクニシャンというか、
これはその場で見るだけよりも、
その場で見たものを録音して、後で聴いた方が良くわかると思います。
その場では、見た目で圧倒されちゃうので。
後で聴いてみると、
あんなにサラッと弾いていたように聴こえたのに
実に細かいバランスで強弱、メリハリが付いているんだなぁ~と
改めて感心してしまいます。
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acogihito at 2008-07-07 13:24
caratさま
>そこを意識するだけでも違いがあるかもしれませんね。
そうなんですよ。
ボクもそうなんじゃないかと思っています。
意識していると、だんだん感覚としてはわかってきます。
もちろんすぐにできるわけじゃないですけど、
そうして行くうちにだんだん良くなってくるんじゃないかと思っています。
>そこを意識するだけでも違いがあるかもしれませんね。
そうなんですよ。
ボクもそうなんじゃないかと思っています。
意識していると、だんだん感覚としてはわかってきます。
もちろんすぐにできるわけじゃないですけど、
そうして行くうちにだんだん良くなってくるんじゃないかと思っています。
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acogihito at 2008-07-07 13:28
takkyさま、こんにちは!
へぇ~、そうなんですかぁ!?
ボクはクラシックのことは全くわからないんですが、
クラシックもそんな感じなんでしょうか?
ボクもパッと見は、派手なもの引かれるんですが、
オーソドックスとはいえ、奥が深いというか、
オーソドックスだからこそ、奥が深いのか、
いずれにしてもギター1本で弾くというのは
細かい事をやりつつ、表情を付けているんだなぁ~
と、つくづく思っています。
へぇ~、そうなんですかぁ!?
ボクはクラシックのことは全くわからないんですが、
クラシックもそんな感じなんでしょうか?
ボクもパッと見は、派手なもの引かれるんですが、
オーソドックスとはいえ、奥が深いというか、
オーソドックスだからこそ、奥が深いのか、
いずれにしてもギター1本で弾くというのは
細かい事をやりつつ、表情を付けているんだなぁ~
と、つくづく思っています。
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ぴよぴよ
at 2008-07-07 13:30
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南澤先生はもちろんすごいですが、acogihitoさんの文章力もさりげなく上手だなあと、いつも感心しております。
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acogihito at 2008-07-07 17:41
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まさを
at 2008-07-07 23:05
x
こんばんは♪
私もぴよぴよ様と同意見です。
あこぎひとさんの文章って、すごく丁寧で分かりやすいなあ、と思います。私なんぞが言うのもおこがましいですけども^^;
南澤さんのクリニック、いいなあ、行きたいなあ。
昔、調べシリーズ3作目のジャズアレンジのが発売された際、近所(高崎市)の楽器屋へギタークリニックでいらっしゃった事があったんです。
とても丁寧に質問に答えてくださり、素晴らしい演奏もさる事ながら、その優しいお人柄に感激し通しでしたねえ^^
私もぴよぴよ様と同意見です。
あこぎひとさんの文章って、すごく丁寧で分かりやすいなあ、と思います。私なんぞが言うのもおこがましいですけども^^;
南澤さんのクリニック、いいなあ、行きたいなあ。
昔、調べシリーズ3作目のジャズアレンジのが発売された際、近所(高崎市)の楽器屋へギタークリニックでいらっしゃった事があったんです。
とても丁寧に質問に答えてくださり、素晴らしい演奏もさる事ながら、その優しいお人柄に感激し通しでしたねえ^^
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acogihito at 2008-07-07 23:33
まさをさま、恐縮です。ありがとうございます。
ところで、先生の人柄ですが、ボクも全くの同感で、
初めてお会いしたときに痛く感激したものです。
↓
http://acogihito.exblog.jp/7203509/
そういう訳で、先生に習えるチャンスが訪れた時は、
何も恐れず、ためらうことなく、お願いすることにしたんですよね。
ところで、先生の人柄ですが、ボクも全くの同感で、
初めてお会いしたときに痛く感激したものです。
↓
http://acogihito.exblog.jp/7203509/
そういう訳で、先生に習えるチャンスが訪れた時は、
何も恐れず、ためらうことなく、お願いすることにしたんですよね。