ドン・ロス(Don Ross) ジャパン・ツアー2008

9月21日、東京、目黒区上目黒の
「楽屋(らくや)」というライブハウス&レストラン&バーに
カナダ・アコースティック・ギター界のドン(首領)であり、
かのマイケル・ヘッジスも生前、絶賛したという
ドン・ロス(Don Ross)さんのライブを見に行ってきました。
このライブがあることを知って、すぐに予約したのが良かったのか、
席は、なんと「特等席」!
恐らく、この日の会場で、一番いい席だったんではないでしょうか?
一番前の正面よりわずかに右側。
ボクの目の前、わずか1.5メートルの所にドン・ロスさんが立ち、演奏するわけですから、
右手も左手もよく見えるし、何だかあまりに近すぎて緊張してしまいました。

あまりに近すぎて、さすがにライブ中に写真を撮るような雰囲気ではなかったので、
残念ながら、演奏の写真はないんですが、すごいライブでした!
ドン・ロスさんの仙人か哲学者のような写真を見たり、
雑誌のギターに対するこだわりのインタビュー記事などを読んだりすると、
「ちょっと気難しい人なのかな?」と思っていたんですが、
それは全くの誤解でした。
登場したドン・ロスさんは髪の毛は幾分短くていたからか、
笑顔のやさしい、とっても大らかな印象。
体も大きく、手もとっても大きいんですが、
指先に行くにしたがって急激に細くなっている感じで、
指先だけ見ると別人のように繊細なんですよね。
そしてスタンディングで、体全体でリズムを取って
ダイナミックに演奏します。
悪く言えば大雑把に演奏しているようにも見えるんですが、
右手も左手も実に細かく素早く、正確に動いているんですよね。
親指にはサムピックをはめ、
それで普通のピックのようにピッキングしたり、激しくストロークしたりする合間に
人差し指、中指、薬指が動いて弦を弾いたり、ハーモニクスを出したり、
バシンッと叩いたり。
親指で力強く、8分音符でベース音をリズムキープしながら、
時々人差し指で16分音符を入れつつ、
中指と薬指では、それとは関係なく、
ものすごく軽く、弱~いピッキングで繊細な音を出したり。
凄いよなぁ~、アコースティック・ギターってこんなこともできるんだなぁ~、
一体どうなってるんだろう?
などと、半ば呆然と見入っていました。
そんなことが目の前で繰り広げられているにもかかわらず、
あまりに凄過ぎて、本当に演奏してるのかな?
CDに合わせてるんじゃないかな?と思うくらい。
だけど、やっぱり本当に演奏していました。
エフェクターにBOSSのME-50という
エレキ・ギター用のマルチエフェクターを使って、
(別にアコギ用じゃなくても全然かまわないんですね)
コーラスをかけたり、ワウワウを使ったりもしてたんですが、
それを切る際、間違えてディストーションがかかっちゃった時があるんです。
「WOW!ジミ・ヘンドリックスみたいになっちゃった!」
と、お茶目にジョークでかわして、また演奏。
それが「弘法も筆の誤り」というか、
神ではなく人間が本当に演奏してるんだと実感できて、
会場もかえって拍手喝采!
その他、チューニング中に4弦を切って、しゃべりながら張り替えたり、
(大御所も普通に弦を張り替えてました!)
「リクエスト曲はありますか?」と会場のリクエストに応えて演奏したり、
(リクエストに応えて何でも演奏できるなんて凄いよなぁ~)
すごい演奏なんだけど、とっても親しみやすい雰囲気。
ギターのボディーに右手の肘が当たるあたりが
だんだん汗でベトベトになるほどの熱演で、
ボクも最初は近すぎて緊張気味におとなしく見てたんですが、
後半はやんやの大騒ぎ!
近いから目も合って、また緊張もしちゃうんですが、それもまた楽しかったです。
曲も、CDで聴くより、ずっとAOR的な感じがして、
ボク好みで良かったですね。
カナダ人だから同じカナダ出身のデヴィッド・フォスター的というか、
そういうAOR的な、16ビートのグルーブ感があって、
大人っぽいコード進行のバンド・アレンジ曲を
一人でギター1本で演奏しちゃっている感じ。
日本でいえば、押尾コータローさんというより、
住出勝則さん的な感じかな?
ボーカル曲もあって、図太い声を出すのかと思えば
思った以上に高音が伸びやかな綺麗な声で、
クリストファー・クロスを思い出すような曲調だったりして、
これも驚きであり、とっても良かった。
やっぱり凄いです、ドン・ロス!

終了後はサインにも気安く応じてくれ・・・、

・・・記念写真も撮らせてもらっちゃいました。

ちなみにドン・ロスさんとは同い歳です。

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by acogihito | 2008-09-21 23:40 | ★アコギ関連 | Comments(8)
おぉ!私も20日の大阪に行ってましたよ。
CD2枚買われたんですね。
私は、liveモノ(右のヤツ)を1枚と、Tシャツにもサインを頂きました。
私の方も、詳細は追って書くつもり・・・です。
CD2枚買われたんですね。
私は、liveモノ(右のヤツ)を1枚と、Tシャツにもサインを頂きました。
私の方も、詳細は追って書くつもり・・・です。
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お久しぶりです。
おぉ、すごい。。。
っていうか、ライブ知らなかったーっていう後悔しきり(笑)
*ボクも自分の1.5mの目の前でトミー・エマニュエルの生演奏を
ギタークリニックで見られた興奮を思い出しました^^
レポ楽しみにしています。
おぉ、すごい。。。
っていうか、ライブ知らなかったーっていう後悔しきり(笑)
*ボクも自分の1.5mの目の前でトミー・エマニュエルの生演奏を
ギタークリニックで見られた興奮を思い出しました^^
レポ楽しみにしています。
JOEさま、こんばんは!
今回は本当、ラッキーでした!
凄いライブでした!
「また来たい」なんて言ってたから、
是非来てもらってまた見たいし、
その時はJOEさんも是非見るといいですよ!
アコギの場合、大物でも
案外小さいハコでやるのもいいですしね!
今回は本当、ラッキーでした!
凄いライブでした!
「また来たい」なんて言ってたから、
是非来てもらってまた見たいし、
その時はJOEさんも是非見るといいですよ!
アコギの場合、大物でも
案外小さいハコでやるのもいいですしね!
>>アコギの場合、大物でも
>>案外小さいハコでやるのもいいですしね!
ホント、海外から呼ばれる本人にとっては
可愛そうな部分もあるんですけど、
ファンにとってはたまらなく嬉しい部分でもありますよね〜^^
まぁ、あのトミー・エマニュエルでさえも、
日本国内の知名度ったらエーベッ○スの新人の
1/数百…って感じなので、これはしょうがないですね〜
>>案外小さいハコでやるのもいいですしね!
ホント、海外から呼ばれる本人にとっては
可愛そうな部分もあるんですけど、
ファンにとってはたまらなく嬉しい部分でもありますよね〜^^
まぁ、あのトミー・エマニュエルでさえも、
日本国内の知名度ったらエーベッ○スの新人の
1/数百…って感じなので、これはしょうがないですね〜
日本の場合、いわゆるライブハウスは、
スタンディングの若者向けのロック仕様のところが多いし、
アコギ向きのちょうどいい、
大人向けのライブハウスが少ないのかもしれませんね。
今回の場所は、雰囲気はいいんですが、タイ料理を出す店なんで、
静かな曲を演奏中に
タイ風チャーハンを炒める音がジャーっと聞こえてきたり、
なんとも残念な場面が何度もありました。
それに今回のドン・ロスのライブをJOEさんがご存じなかったとすると、
宣伝もうまくいかず、一部の人にしか情報が広がらないんですかね。
押尾コータローさんだけが、
かなり特殊にメジャーになってしまった感もありますが、
徐々に徐々に広がっているような気もしますんで、
今後に期待したいところです。
スタンディングの若者向けのロック仕様のところが多いし、
アコギ向きのちょうどいい、
大人向けのライブハウスが少ないのかもしれませんね。
今回の場所は、雰囲気はいいんですが、タイ料理を出す店なんで、
静かな曲を演奏中に
タイ風チャーハンを炒める音がジャーっと聞こえてきたり、
なんとも残念な場面が何度もありました。
それに今回のドン・ロスのライブをJOEさんがご存じなかったとすると、
宣伝もうまくいかず、一部の人にしか情報が広がらないんですかね。
押尾コータローさんだけが、
かなり特殊にメジャーになってしまった感もありますが、
徐々に徐々に広がっているような気もしますんで、
今後に期待したいところです。
>押尾コータローさんというより、住出勝則さん的な感じかな?
あぁ~、私もそう思ってました。
ヘッジスのフォロワーとして、ヘッジスを継承しつつ上手く消化できてるかなぁ~って・・・。
コータローちゃんが叙情的とすると、もっとソウル・ロックって感じなんだろうか?
>ボーカル曲もあって、・・・・クリストファー・クロスを思い出すような・・・
そうそう、これも同感!
ただクリストファークロスの名前が出てこなかったんだけど・・・orz
あぁ~、私もそう思ってました。
ヘッジスのフォロワーとして、ヘッジスを継承しつつ上手く消化できてるかなぁ~って・・・。
コータローちゃんが叙情的とすると、もっとソウル・ロックって感じなんだろうか?
>ボーカル曲もあって、・・・・クリストファー・クロスを思い出すような・・・
そうそう、これも同感!
ただクリストファークロスの名前が出てこなかったんだけど・・・orz
のぶぞ~さま、おはようございます!
そうですね、ドン・ロスは80年代前半の洋楽、
それも黒人のソウルと白人のロックが混ざった
当時のTOTOやスティーリー・ダン、ボズ・スキャッグス、マイケル・マクドナルド、
あとはボブ・ジェームスとか、
あの当時のAOR的な匂いをCDを聴くより強く感じました。
押尾コータローさんの場合は、それに比べると
90年代のJ-Pop的でしょうか?
わかりやすいメロディーラインで誰にでも親しみやすいところが強みですよね!
フュージョン系で言えば、スタッフと日本のカシオペアを比較したような感じかなぁ?
それにしても、ああいうライブの中で、
さらっと1~2曲歌うのってかっこいいですね!
押尾さんも歌ったらどうだろう?と思う反面、
谷村新司的な声質がJ-Pop的なムードには合わないのかな?とも思ったり。
いずれにしても良いライブでした。
またぜひ来日してもらって、もう一度見たいものです。
そうですね、ドン・ロスは80年代前半の洋楽、
それも黒人のソウルと白人のロックが混ざった
当時のTOTOやスティーリー・ダン、ボズ・スキャッグス、マイケル・マクドナルド、
あとはボブ・ジェームスとか、
あの当時のAOR的な匂いをCDを聴くより強く感じました。
押尾コータローさんの場合は、それに比べると
90年代のJ-Pop的でしょうか?
わかりやすいメロディーラインで誰にでも親しみやすいところが強みですよね!
フュージョン系で言えば、スタッフと日本のカシオペアを比較したような感じかなぁ?
それにしても、ああいうライブの中で、
さらっと1~2曲歌うのってかっこいいですね!
押尾さんも歌ったらどうだろう?と思う反面、
谷村新司的な声質がJ-Pop的なムードには合わないのかな?とも思ったり。
いずれにしても良いライブでした。
またぜひ来日してもらって、もう一度見たいものです。