2008年 08月 12日 ( 1 )

 

南澤大介先生のミニ・アルバム『COVERS vol.1』

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 南澤大介先生のソロ・ギター・スタイルによるカヴァー曲集
 『COVERS vol.1』が発売されました。

 ボクには単純に、PAN SCHOOL OF MUSIC の専科で
 南澤先生に教わった「ブラックバード」や「ノルウェーの森」、
 それから今後、練習したいと思っている「ヒア・カム・ザ・サン」が入った
 「初の正式録音盤」という嬉しさがあるんですが、
 さすがにそれだけではないですね。

 このアルバムを一言で表現すれば、
 フランス料理でも、中華料理でも、エスニック料理などでもなく、
 日本の「江戸前にぎり寿司のようなアルバム」といった感じでしょうか。

 このアルバムは、「ソロ・ギター・スタイルによるカヴァー曲集」とは言っても
 単に「ソロ・ギターのしらべ」シリーズの別冊ではなく、
 南澤先生の「ソロ・ギター」に対する「こだわり」が感じられる
 かなり繊細な「作品集」となっています。

 収録曲は、
  01. ヒア・カム・ザ・サン
  02. ノルウェーの森
  03. ブラックバード
  04. スカボロー・フェア
  05. 涙そうそう
  06. イマジン
  07. 遥かなる影
 の全7曲。

 ミニ・アルバムということで、ちょっと少なめな感じもしますが、
 いっぺんに聴くには、途中で飽きることもなく、返ってちょうどいい分量です。

 この中で、一番「ソロ・ギターのしらべ」っぽいのは、
 「ヒア・カム・ザ・サン」でしょうかね?

 それ以外は、「ドロップD、2カポで1弦空け」というチューニングだったり、
 「ノルウェーの森」には1弦をシタールのような音にするために
 プラスチック片をエフェクターとして付けていたり、
 「ブラックバード」には原曲のようにエフェクト音として鳥の声が入っていたりと
 「ソロ・ギターのしらべ」シリーズにはない自由なアプローチで演奏されています。
 
 ところが、その「ブラックバード」にしてもエフェクト音は必要最小限。
 原曲では曲の途中のブレイク部分からエンディングまで終始、鳥の声が入っているんですが、
 南澤先生の「ブラックバード」は途中のブレイク部分とエンディングのみ。
 つまり、ギターの演奏にはかぶってないんですよね。
 あくまで「ソロ・ギターのアルバム」という「こだわり」なんだろうと思います。

 その他の曲のエフェクト処理も必要最小限。
 ごく軽く、リバーブがかかっているのみで、
 オーバーダブも、ダブルトラックも、コーラス処理も、
 イコライザーによる低音部の強調なんかもされていません。

 演奏も、叩いたりするようなテクニックは使用せず、
 基本はオーソドックスなフィンガーピッキングのみ。

 それはまるで、江戸前のすし職人が、
 新鮮な生のネタと微妙な味付けのシャリにこだわり、
 あとは手による握りの力加減のみで作り上げる
 シンプルだけど奥が深い「江戸前にぎり寿司」に似たような感じ。

 煮たり、焼いたり、炒めたりすることなく、
 「フィンガー・ピッキングによるギター1本での演奏の生音の良さを生かす」
 というこだわりを感じます。
 
 さらに、「スカボロー・フェア」「イマジン」「遥かなる影」は、
 「ソロ・ギターのしらべ」シリーズに収録されたものとはアレンジも違うし、
 演奏も「ソロ・ギターのしらべ」の見本的なものに比べると
 「弱」の部分が強調された、デリケートな大人の味付けになっています。

 そんなこのアルバムの中で、
 ボク一番、「秀逸!」と感じたのが、「涙そうそう」です。

 実はボクは、原曲の「涙そうそう」は、それほど好きな曲ではありませんでした。
 なんていうか、無理に泣かせようという押し付けがましい、くどさがある感じがして・・・。
 それが南澤バージョンを聴いて「こんなにいい曲だったのか!」と再認識してしまいました。

 この「涙そうそう」は、
 原曲を演奏し、原曲のシンガーである夏川りみさんともツアーで周ったという吉川忠英さんも
 ご自身の「Guitar by Guitar」というアルバムで、ソロ・ギター・アレンジにして演奏されてますが、
 南澤バージョンと聴き比べると、そのアプローチの違いが実に興味深いですね。

 う~ん、なるほどなぁ~。

 ただ、このアルバムは、あくまで「江戸前にぎり寿司のようなアルバム」なので、
 フランス料理や中華料理、あるいはハンバーグやカレーなどといった、
 もっと濃い、はっきりした味付けがお好みの方には、
 ちょっと物足りなく感じるかもしれません。

南澤大介先生のミニ・アルバム『COVERS vol.1』_c0137404_19472654.jpg
先日の“南澤大介ギター・セミナー with HISTORY” で購入、サインを頂きました!

by acogihito | 2008-08-12 21:39 | ★アコギ関連 | Comments(14)